AGAの薬を使ってみたいけれど…ドラッグストアで買える？ 注意点は何？

最近、抜け毛が前より増えた、額も後退して髪も細くなったと感じることはありませんか？　もしかしたらAGAかもしれないけれど、病院に行くのはちょっとためらわれる…と思っている方もいらっしゃるかもしれません。
クリニックを受診する時間がない、できれば自宅で対策を始められる薬が知りたいという方には、ドラッグストアで買うことができる「ミノキシジル」配合の塗り薬があります。
お店で気軽に手に取りやすいということもあって、発毛剤をドラッグストアで求める方も増えていますが、どの商品を選べば良いのかわからないというケースも少なくありません。
そこでAGAの薬をドラッグストアで購入する際の注意点や、より効果的なセルフケアについて解説していきます。

 

ドラッグストアで売っているAGA外用薬って？

AGAの薬には塗り薬（外用薬）と飲み薬（内服薬）があり、飲み薬が欲しい方は医師の処方が必要ですが、塗り薬はドラッグストアで買うことができます。
薄毛対策を気軽に始められる市販薬ですが、同じように見えても含まれる成分の違いや男性向けか女性向けなどによる違いもあるため、事前に見極めたうえで購入すると安心です。
ぜひ正しい知識を知った上で、薄毛や抜け毛のお悩みを軽減するきっかけをつかんで下さい。

 

ドラッグストアならではのメリットやデメリット

店舗で発毛剤を購入すると、常駐している薬剤師と相談できますので、ご自身に合う商品を見つけられ、使用法や副作用についてもその場で説明を受けることができます。
また、ドラッグストアでは各メーカーによる様々な価格帯のものが多数揃っており、実際に目で見て特徴や成分などを確かめられるのもメリットです。
またセールやポイント還元などで安く入手することもできるでしょう。
ただ、逆に種類が多くて迷いやすい、混雑しているとじっくり相談できない、店舗ごとで値段が違うといったこともあるかもしれません。

 

ドラッグストアで販売されている発毛剤の特徴

ドラッグストアに並んでいる発毛剤には、髪の成長を促すための有効成分が含まれていますが、特に重要とされるのが発毛促進作用を見込めるミノキシジルです。

 

ミノキシジルが主な成分となる理由

市販のAGA外用薬に含まれるミノキシジルは、毛包に直接作用し、タンパク質の合成を促進することによって発毛を促すことが期待できます。
また、ヘアサイクルにおける成長期の短縮で小さくなった毛包に働きかけ、細く軟毛化した髪を太く抜けにくい毛へと変える作用もあります。
さらにミノキシジルには血管拡張作用があるため、毛包付近の血流を改善し、十分な栄養や酸素を与え、発毛促進効果も見込めるとされます。
ミノキシジルは、すでに起きている脱毛に対して、その進行を食い止め、現状維持を促す作用があり、加齢によって起きる脱毛症やAGAの治療にも使用されています。

 

発毛剤におけるミノキシジルの濃度

市販の男性用AGA外用薬には、ミノキシジル配合濃度は５％のものと１％のものがあります。濃度１％のものは、安全性が高く、かゆみや炎症が出にくいとされ、主な対象は女性です。
濃度５％のものは主に男性を対象にしており、発毛効果を実感しやすいですが、副作用には注意が必要です。初めて使う方は濃度が低いものから始める方が安心でしょう。
濃度７％以上になると日本では未承認のものが多く、海外製品のものとなります。副作用リスクが高まる可能性あり、安全性を考えた場合は個人での購入を控えたほうが望ましいといえます。

 

発毛剤をドラッグストアで買う際の注意点

市販されている発毛剤を選ぶ際には、まず配合されている有効成分やその濃度、そして医薬品の種類、価格帯などを見て検討することが重要です。
ドラッグストアで並んでいる発毛剤の多くは、第1類医薬品に該当しますので、購入時に薬剤師と対面で説明を受ける必要があります。
オンライン通販で購入する場合であっても、薬剤師による適正使用の確認が行われる場合が多いです。
また、購入した商品を使って、頭皮に違和感を覚えたり、自分に適していないと感じたりしたら、無理して使い続けずクリニックを受診するなど他の選択肢を検討して下さい。

 

発毛剤を使い始めるタイミング

薄毛を自覚し始めた段階で対策を始められることが効果的で、AGAは放っておくと進んでしまうので、早めのケアをすることで抜け毛を抑制しやすくなります。
初期症状のうちから発毛剤を取り入れることで、髪の成長期を伸ばし抜け毛を減らす可能性があります。

 

効き目の緩やかな外用薬を試したい方の場合

ミノキシジルほど強力ではなくても、血行促進や頭皮環境を良くする成分を配合した様々な発毛剤や育毛剤が販売されています。
含まれる成分には、血行を促すセンブリエキスやビタミンE誘導体、保湿や抗炎症作用のあるアラントインやグリチルリチン酸ジカリウムなどが挙げられます。
センブリエキスは血行を助け、育毛作用をサポートする成分とされています。ビタミンE誘導体は抗酸化作用と血流アップの効果が期待され、これらの成分が配合された薬は医薬部外品および育毛剤として販売されています。
アラントインやグリチルリチン酸ジカリウムは、頭皮の炎症を抑えて健康な状態にしていく作用が期待され、スカルプケア用品やローションなどに配合されています。
発毛剤であっても、頭皮の血流をアップし保湿を与えてくれる成分が一緒に配合された商品が増えているので、ラベルの成分表を確認し、どのような効果を目的としているのか理解するとよいでしょう。

 

AGAを意識した発毛剤の選び方

品数が多いドラッグストアで、自分に合った発毛剤を選ぶにはポイントがあります。
成分のほかに価格や使用方法、各社メーカーによる違いにも目を配ると、納得して選ぶことができるでしょう。

【選ぶ時に見ておきたいポイント】
・ミノキシジルの濃度
・男性用か女性用か
・第1類医薬品か医薬部外品か
・コストパフォーマンス
・頭皮への刺激やアレルギーリスク

 

市販発毛剤のおおまかな価格帯

ドラッグストアで発毛剤を選ぶ前に、AGA対策なのか、軽度の抜け毛ケアなのかなど、用途と目的を決めましょう。それによりミノキシジル配合濃度が５％の第1類医薬品か、それとも育毛や頭皮ケアを目的とする医薬部外品なのかが決まってきます。
また、発毛剤の効果を確かめるには3～6カ月程度の継続が必要なので、続けやすい価格かどうかも重要な判断材料です。
しっかりした発毛効果が期待できるミノキシジル5％配合だと、3,000円～7,000円前後、
頭皮ケアが中心で副作用が少ないミノキシジル以外の育毛成分配合は、2,000円～5,000円前後です。
続けやすい価格で頭皮トラブルが少ないことが多い医薬部外品の育毛剤だと1,500～3,000円程度がおおよその価格帯です。
経済的な負担になる場合、無理に高額のものを選ばず、続けやすい価格で成分と両立する商品を探してみましょう。

 

発毛剤の正しい使い方と注意点

ドラッグストアで入手した発毛剤を効果的に使うには、頭皮環境を整えた上で、用法用量を守ることが大切です。使用方法を守らないと効果が出にくいだけでなく、副作用も生じる可能性が高まります。

 

正しい使い方の基本

製品ごとに多少の違いはありますが、多くの発毛剤は1日2回の使用が一般的です。
清潔で乾いた状態の頭皮に有効成分を塗布し、指で軽く押さえるように浸透させます。
規定量以上使っても効果が高まることはないため、必ず説明書に書かれている量を使用するようにしましょう。

【効果的に使うポイント】
・洗髪後、髪をしっかり乾かしてから使用する
・ノズルなどは頭皮に直接つけないようにする
・塗布する際は指先で優しくなじませる
・成分が浸透する時間を確保して洗い流す

発毛剤は、短期間で改善をもたらすものではありません。一般的に3カ月から6カ月ほど続けることで実感しやすくなるとされています。
初期には抜け毛が増えたように感じる「初期脱毛」が起きることがありますが、これは毛根が生え変わる過程とされ、症状が続かなければ問題ない場合が多いです。
その段階で、効果が出ないからと途中でやめると、これから生えようとしていた毛も成長することなく抜け落ちる可能性もあります。

 

AGAは薬とセルフケアの総合力で対策することが大切

 

生活習慣やヘアケアとの相乗効果

発毛剤を使っているから他は何もしなくて良いのではなく、頭皮の血行や栄養状況を良好に保つための日常的なケアも継続すると効果が出やすくなると考えられます。
ストレスはホルモンバランスを乱し、血流悪化の原因になるので、適度な運動やリラックスできる時間を持つなどして全身の血流を促すと、頭皮にも良い影響を与えることができるでしょう。
ウォーキングや軽いジョギングなどは続けやすいですし、週に数回取り入れるとリラックス効果も得やすいです。
運動不足を解消することで体調が改善し、発毛剤の効果も感じやすくなることも考えられます。

 

食事や睡眠で内側からサポート

髪は主にタンパク質で作られているため、良質のタンパク質、脂身の少ない肉や魚、大豆のほかに亜鉛やビタミン類もバランスよく摂ることを意識しましょう。
また、睡眠中には成長ホルモンが分泌され、細胞の修復や生成が行われます。
睡眠が足りないと髪に行きわたるエネルギーが不足するため、適切な睡眠時間を確保しましょう。

 

頭皮環境を整えるためのヘアケア

発毛剤が効果を発揮するためには、頭皮環境を清潔に保つことが重要です。
髪を洗い過ぎるのは頭皮を乾燥させ、逆に洗いが足りないと皮脂や汚れが毛穴に詰まります。ご自分の頭皮タイプに合った洗髪回数と洗浄成分を選び、適度に保湿を行うと、発毛剤の浸透がスムーズになります。

 

クリニックでの薄毛対策が必要なタイミング

3～6カ月ほど発毛剤を使ってみても抜け毛が減らない、頭頂部や生え際の後退が進んでいる、かゆみや炎症が持続し、市販薬で改善が見られないなどの症状がある場合は、進行度の高いAGAや特定の脱毛症が進んでいる可能性があります。
ドラッグストアでの発毛剤だけでは対応できないかもしれません。医師の診察を受けて、処方薬や専門的な治療を検討することをおすすめします。
AGA治療で用いられる薬には、5αリダクターゼを阻害するフィナステリドやデュタステリドなどの内服薬が使われる場合があります。
これらはドラッグストアでの購入ができない薬であり、医師の診察の上、経過観察のもとで処方されます。

 

まとめ

ドラッグストアで購入できる発毛剤は、日頃から薄毛や抜け毛を気にされている方にとって手軽に始められる選択肢でしょう。
医薬品として扱われるミノキシジル配合のものから、医薬部外品の育毛剤や頭皮ケアアイテムまで様々な製品がありますが、基本的に有効成分が強いほど副作用リスクが高まるため、薬剤師と相談しながら正しく使用することが重要です。
さらに、発毛剤の使用とともに、食生活や睡眠、運動など総合的な対策で頭皮や毛根への血流を促進し、薬の効果を高めることが期待できます。
今回の記事を参考に、是非ご自身の髪の状態に合うアイテムを選んで、早め早めの薄毛やAGA予防対策に役立ててみて下さい。