梅雨の抜け毛は通常の２倍に？　5月、6月に抜け毛が増える原因と対策

最近は日中の気温が急に上昇することがあり、徐々に夏に近づいていることを感じることも多いと思います。
春から夏へ移行するのに伴って体内ではホルモンバランスも変動します。そのため頭皮環境が変化しやすく、髪の成長サイクルに影響が及び、抜け毛が増えることも。
通常1日に抜ける髪の毛の量は数十本から100本といわれていますが、季節の変わり目や梅雨の時期には2倍に増えるともいわれています。
5月や6月に起きる抜け毛には、紫外線や皮脂分泌の増加など、この時期特有の要因が関係しています。そこで梅雨に抜け毛が増える原因をお伝えするともに、この期間に必要な対策についてまとめてみました。

 

梅雨は抜け毛が増えやすい？

一般的に梅雨は5月下旬から7月上旬まで続きます。長く続く雨には、大気汚染物やホコリ、ゴミなどが含まれているため、頭皮に雨が付着すると炎症を起こして抜け毛が増えるといわれています。
梅雨特有のジメジメした気候のせいで、頭皮が蒸れやすく清潔な状態を保ちにくくなることも原因の一つと考えられるでしょう。
またそういった頭皮状態でエアコンの冷風に当たると、皮脂や汚れが乾いて毛穴につまって、さらに頭皮環境が悪化してしまい抜け毛を増やすことになってしまいます。

 

5月、6月に抜け毛が増える原因

では、なぜこの時期に抜け毛が多くなってしまうのかについて、次のような理由が考えられます。

 

春から夏のホルモンバランスの変化について

夏への移行に伴って体内のホルモンバランスも変わり、髪の成長サイクルに影響が及び、抜け毛が気になるケースがあります。
また春から夏へ移り変わる季節の変わり目は、最低気温と最高気温の差が10℃を超える日もあるため、寒暖差疲労で体調を崩しやすくなります。
頭皮環境が変化しやすく、髪の健康にも影響を与えやすい時期です。
この気温の変化による疲労は自律神経のバランスを乱し、免疫力の低下や気象病の原因となり、不規則な生活やストレス、運動不足なども自律神経の働きに悪影響を及ぼします。

高温多湿により、頭皮環境の悪化

梅雨の時期には気温も上昇しており、毎日のように雨が続くと室内も蒸し暑くジメジメしていて、汗や皮脂もより多く分泌されます。
こういった高温多湿の環境で頭皮が蒸れた状態が続くと、常在菌の繁殖で頭皮が炎症を起こしやすい状態になってしまいます。
そもそも頭皮は顔に比べて約2倍も皮脂腺の量が多いので、皮脂の分泌量も多くなり、それが毛穴詰まりの原因となり抜け毛を引き起こしやすくなってしまいます。

6月、7月は一年の中でも紫外線量が多い

実は紫外線は３月から徐々に増え始め、５月～８月にピークとなります。特に６、７月は晴れると紫外線量はかなり高めに降り注ぐと思っていてよいでしょう。
夏至の頃には日焼けのリスクがぐっと高まってきます。梅雨の影響で曇りの日が多くなるのですが、紫外線はしっかりと届いています。
この時期に抜け毛が増える原因の一つに紫外線があります。頭皮に紫外線が当たると毛根が光老化を起こし、髪の成長に必要なタンパク質の合成を阻害するため抜け毛が増えるといわれています。
紫外線対策していないと頭皮環境が悪化し、頭皮が「かゆくなる」「フケが出る」といった症状が起こり、その結果抜け毛の原因となります。

 

六月病によるストレス

六月病とは、４月に始まった新しい環境に慣れ始める約2ヶ月を経過した頃に、様々な心身の不調が現れる状態を指します。
これまで新しい環境に適応しようとしてきた結果、いよいよエネルギー不足に陥りストレスに耐えられなくなり、症状として現れます。
正式な医学用語ではありませんが、医療機関では適応障害やうつ病と診断されるケースが多くあります。

そのようなストレスを抱えると血行不良、過剰な皮脂分泌、頭皮環境の悪化、免疫力低下など髪の毛にとって悪い影響がたくさんあります。
そして自律神経の乱れから血行不良を起こし、抜け毛が増えてしまいます。

 

頭皮でマラセチア菌が増加しやすい

梅雨に入ると湿度、温度ともに高くなり、頭皮が蒸れやすくなりますので細菌が増えてしまいます。
湿気によって皮脂の分泌が増加すると、脂漏性皮膚炎が起こりやすくなります。この脂漏性皮膚炎の発症には、頭皮に普通に存在する常在菌でカビの一種の、マラセチア菌が大きく関与しています。
普通の環境であれば、体の皮膚や頭皮のコンディションを整えてくれる役割を果たしている菌ですが、高温多湿の梅雨時には注意が必要です。
頭皮にいつも以上に大量に汗をかき、皮脂の分泌も増えると、それをエサにどんどんマラセチア菌が繁殖して抜け毛が増えるケースもあります。

 

酸性雨は薄毛につながることはある？

雨の多い季節で気になるのは、酸性雨。よく「酸性雨が髪につくと薄毛になる」という話を耳にします。
雨で頭が濡れてしまうことの影響ですが、日本で降る酸性雨はpH4〜pH6という程度で、酸性度はかなり低いといえます。
だからと言って雨に濡れてもいいというわけではありませんが、過度な心配はしなくても良いということです。
酸性雨がついた髪のキューティクルが剥げて、髪が膨張を起こす程度はあるでしょう。
髪の毛はケラチンと呼ばれる非常に強いタンパク質で構成されているため、微量の不純物程度でダメージを受けたり、抜け毛が起きたりすることはありません。
注意したいのは酸性雨で濡れた頭皮や髪を放置すること。雨には細かいチリやホコリ、大気中に漂う排気ガスなどの有害物質が含まれているため、雑菌の繁殖や毛穴詰まり、臭いのもとになってしまうこともあります。
酸性雨だからというわけではなく、普段から雨に濡れることには気を配っておきたいものです。

 

ちょっとした心がけでもできる抜け毛対策

梅雨シーズンを乗り切る、簡単な頭皮ケアをご紹介します。長雨シーズンは頭皮にとって過酷な季節。これから起きてくる頭皮トラブルを避けるためには基本となる対策をしっかりすることが大切です。

 

雨に濡れない工夫を！

雨に濡れた頭皮を放っておくと、汚れや細菌が繁殖する恐れがあります。たとえ小雨であっても雨に濡れないように常に折り畳み傘を持ち歩き、急な雨にも備えましょう。
うっかり濡れてしまったらすぐタオルで拭くなどして、濡れたまま髪を放置しないように。

 

毎晩、髪を洗いしっかり汚れを落とす

また湿度が高まりジメジメした気候が続くと、頭皮にもかなりの汗をかきます。
この時期には一日の終わりに汚れをきれいに落として清潔に保つようにし、地肌のマッサージも一緒にしてみて下さい。
疲れて洗髪せずに寝てしまう方もいますが、汗や皮脂、スタイリング剤などが混ざり合った状態で一晩放置すると、頭皮は劣悪な環境になりますので、その日の汚れはすっきりとシャンプーで除去しましょう。
髪を濡らす前にしっかりブラッシングをして、髪の絡まりやゴミを取り除いてから髪を洗うのが効果的です。

 

ビタミンを意識して摂取する

バランスの良い食事は常に基本になりますが、特に薄毛対策で注目したいのはビタミンBとビタミンCです。
レバーやサバなどに多く含まれるビタミンB2には、脂質をエネルギーに変える働きがあり、皮膚の再生に必要な成分といわれています。
蒸し暑さはストレスがかかりやすいともいえるので、リラックスする時間を大切にしたり、食生活においても豚肉やレバー、大豆に多く含まれるビタミンＢ群を多めに摂ったりという、体の内からもこまめな頭皮ケアをすることで抜け毛対策につながります。
また、レモンやブロッコリーに多く含まれるビタミンCは、皮膚の代謝を改善してダメージの回復を早める効果が期待できます。
普段の食事の中にもぜひ積極的に取り入れてみて下さい。

 

薄毛対策シャンプーを使ってみる

今は多くのメーカーから薄毛用のシャンプーが出ています。薄毛が気になる方で、まだ普通のシャンプーやトリートメントを使っている場合は、このタイミングで変えてみるのも良いでしょう。
一般的なシャンプーは、頭皮よりも髪の潤いやダメージ補修を重視していることが多いのですが、それに対して薄毛対策用のシャンプーは、アミノ酸系など頭皮のことを考え皮脂を取り過ぎない保湿成分が含まれ、乾燥や肌荒れを防ぐ成分が入っています。
また臭いやフケ、かゆみなどに有効な成分や頭皮の血行を促すような成分が配合されていることが多いです。
洗髪後に残ったシャンプーやコンディショナーもマラセチア菌を含む雑菌の繁殖につながってしまうことがありますので、しっかりと洗い流すことも忘れずに行いましょう。

 

お風呂の後は、髪をきちんと乾かす

お風呂から上がった後に生乾きのままにするのも良くないので、洗髪後はできるだけ早くタオルドライをしてドライヤーを使って丁寧に乾かしましょう。
地肌さえ乾いていれば、髪が少し湿っていてもそれほど問題にはなりません。
洗髪の後は、自然乾燥ではなく、熱すぎない温度に設定したドライヤーで丁寧に乾かしましょう。
ドライヤーを使う時は、指で髪をかきわけながら頭皮に温風を当てて、キューティクルの向きに逆行しないよう、上から下に風を当てましょう。髪から20㎝ほど離して小刻みに動かし、同じ箇所に長く当てないように注意します。
乾いたら冷風を当てキューティクルを落ち着かせるとよいでしょう。

 

まとめ

雨が多く湿度が高い梅雨時は、頭皮ダメージを受けやすく抜け毛が多くなりやすい季節です。5月や6月に増えると感じる原因には、紫外線や皮脂の増加など、いくつかの要因が考えられ、今回はそれを乗り切る頭皮ケアをご紹介しました。
やはり一番大切なことは、頭皮環境を整える習慣と食生活に尽きます。少し意識しておくだけで簡単にできるものばかりですが、当たり前のことをきちんとこなしていくことが薄毛対策にとっても一番の近道です。
もうすぐジメジメの梅雨がやってきますので、頭皮を優しくいたわりながら乗りきっていきましょう。