まさかこれって若ハゲ？ 10代20代に増えている若年性脱毛症の原因と対策

薄毛といえば、一般的に30代以降の中年男性のお悩みだと思われていました。しかし近年は10代20代の若い層から抜け毛や薄毛で悩む方が増えています。
あるヘアケア製品の製造販売をする会社が調査したところ、10代で16.5％、20代で30.4％、30代で39.4％の方が薄毛で悩んでいるというデータが報告されています。
まさに10代20代を合わせると46.9%に上るということになり、その原因のほとんどが AGA（男性型脱毛症）による発症だともいわれています。
AGAは、遺伝のほか普段の生活環境も関係してきますので、今回は若くして薄毛になりやすい方の特徴や理由、早期治療の重要性について解説していきます。

若いのに薄毛になる男性が増えている理由

10代20代で薄毛に悩む方の多くは、AGA（男性型脱毛症）の発症が関係しているといわれ、実に日本人男性の3人に1人が発症しているともいわれています。
今は、若ハゲは決して珍しいことではなく、10〜20代で薄毛に悩む男性が増加しているというその理由として、もともとAGAの遺伝子を持っていたこと、そしてそれがストレスなどの要因が重なって、若くして発症してしまったことが考えられます。
このような若ハゲを、若年性脱毛症と呼びますが、生活環境も大きく関係しており、発症には学校や職場、家庭などで何かしらのストレスを抱えている方が多いということが分かっています。
若年性脱毛症は早めの対策で改善できますので、気がついた時に対処できる知識も得ておきたいものですね。

若ハゲを見分ける判断基準はある？

およそ18歳から30歳未満までの男性で次のような兆候が見られ場合には、若年性脱毛症が疑われる場合があります。複数当てはまるものがあれば、すでに発症しているかもしれません。
「まだ若いから大丈夫」と何もしないでいると、気づくのが遅くなり、かなり進行してから対策するようになってしまいますので、次のようなことがあるか、まずはチェックしてみましょう。

以前に比べて抜け毛が増えた

ご自分で若ハゲか見分けるために分かりやすいのは、急に抜け毛が増えたと感じるかどうかという点です。
毛髪は日々生まれ変わっているため、成長する髪もある一方、寿命を全うして抜けていく毛もあります。正常なヘアサイクルの場合だと、1日50〜100本ほど抜けるのは特に問題ないとされています。
ただそれを上回っているようであれば、すでに薄毛予備軍であるといえるでしょう。

ヘアセットがしにくくなった

薄毛が進み髪の毛のボリュームが少なくなると、髪型が決まらなくなったり、スタイリングをキープできなくなったりします。
スタイリング剤をつけた際に、髪がへたるようになったと感じる方は若ハゲが進行しているかもしれません。

生え際が徐々に後退している

男性の薄毛にはいくつか特徴があって、生え際がM字型に後退していくパターンがあります。
正面から見た際の額の形がMのように見え、左右が剃り込みしたように後退しています。典型的なAGAの薄毛パターンですので、若くしてこのような症状が出ている方はAGA発症を疑うべきでしょう。

頭頂部の皮膚が透けている

つむじから薄毛が広がるのも、典型的なAGAの特徴といえ、このような薄毛はO字ハゲとも呼ばれていて、後ろから見た時に特に目立ちやすいといえるでしょう。
紫外線を浴びたことによるダメージや、頭皮が乾燥することによって、薄くなった頭頂部が赤くなっていることもあります。

早期に若ハゲ対策するメリット

若年性脱毛症は、何もせずに自然に改善することはありませんが、早めの対策で進行を遅らせたり、治療をして薄くなった部位を発毛させたりすることは可能です。
まずは、生活習慣を見直すことから始めてみましょう。
例えば、過度なストレスを抱えていないか、睡眠は十分とれているか、加工品やインスタント食品ばかり食べていないか、運動はしているかなど、ご自身の生活を振り返ってみて下さい。
また、頭皮にかゆみや湿疹などが見られていないかどうか。もしあればシャンプーや整髪料が頭皮の状態に合っていない可能性があります。
生活習慣が若ハゲのきっかけとなることがあり、若いうちにAGAを発症した方は、40〜50代で発症した方よりも、進行が早まる傾向にあります。
中には1年以内に1〜2ステージも進行していくこともあるほどですので、若年層の薄毛は特に注意しなければなりません。
一方で、対策をスタートしたのが早ければ早いほど、効果を実感しやすいともいえます。
薄毛のサインを放置してしまった方と、すぐ対策を始めた方とでは将来的な毛髪量に大きな差が出てくるでしょう。

普段の生活で、若ハゲ防止につながる対策

ストレス解消に努める

強いストレスを感じると頭皮の毛細血管が収縮してしまいます。髪の成長に必要な酸素や栄養が行き渡りにくくなるため、薄毛予防のためには、まずはストレスの少ない生活を心がけていきましょう。
しかし現代社会では、なかなかストレスのない生活を送るのは難しいかもしれません。
ストレスから完全に解放されなくても、できるだけリラックスする時間を持ち、心と体をゆっくり休ませてあげましょう。
気分がすっきりすること、楽しいと思うこと、好きなことに没頭できる時間を作り、自分なりのストレス解消法を見つけていきたいものです。

睡眠不足の解消に努める

飲酒やゲームなどに夢中になって、つい夜更かしが癖になり睡眠が足りていない方も多いと思います。こうした習慣を早めに改善することが薄毛対策には大切です。
毎日同じ時刻にベッドに入る習慣を付けましょう。できれば夜10時から深夜２時まで熟睡できる環境を整えると良いのですが、気持ち良く目覚められるベストな睡眠時間をご自身で探し、それを確保して下さい。
上質な睡眠のためには、入浴をゆっくりお湯に浸かって行い、体を休ませ、寝る1時間前には部屋の照明を暗くするのもおすすめです。このタイミングで、スマホやテレビを観るのをやめましょう。

飲酒とタバコは控える

また、お酒の飲み過ぎや喫煙も控えるようにします。喫煙は薄毛だけでなく、健康面にも悪影響を及ぼすため、徐々に本数を減らして最終的には禁煙を目指しましょう。
お酒は適量を守り、連日飲むのを控え、深酒や二日酔いにならないよう節度ある飲酒を心がけて下さい。

頭皮ケアを習慣化する

頭皮の血行を促し、育毛環境を整えるにはマッサージなども有効です。
入浴後、温まっている状態で行なってみましょう。指の腹で頭の地肌を優しくマッサージすると、血行改善のほかリラックス効果も期待でき、ストレス解消につながります。
また、髪を生やすには頭皮のコンディションを保つことも大切なので、適度な洗浄力と保湿力、そして育毛効果のあるシャンプーなどを取り入れましょう。
洗う際には、お湯が熱過ぎないように注意して、優しく指の腹を使って洗いましょう。シャンプー剤が残らないよう、すすぎは十分にすることを意識して下さい。

バランスの良い食事をする

コンビニ食や外食が多い方は、栄養バランスが偏りがちです。たまには自炊をして育毛効果の高い食材を摂取したり、高カロリー、高脂質な食べ物を控えたりすることから始めてみましょう。
積極的に摂ってほしい栄養素は、新陳代謝を促進する野菜、豚肉、レバーなどのビタミン類、髪の成長を助ける魚介類、牡蠣、煮干しなどのミネラル、髪の土台を作る肉、魚、卵、大豆、乳製品などのタンパク質などが、基本的に髪に必要な栄養素です。
ほかにもブロッコリーやにんにく、ほうれん草、チーズなどはケラチンを構成し、コラーゲン豊富な手羽先、鶏皮、うなぎ、エビは毛包幹細胞を保護し、イソフラボン（大豆製品）はAGA発症の元となる5αリダクターゼを抑制します。

【育毛をサポートするメニュー例】

上でご紹介した食材を使ったメニューの一例として、「レバニラ炒め」や「レモンを絞った牡蠣」「ほうれん草と鰹節のおひたし」、「育毛を促す食材を使った鍋」などが手軽に作れておすすめです。
毎日自炊することが難しい場合は、外食メニューの中から髪の毛に良い食材が使われたものを頼んでみてはいかがでしょうか。

 

若ハゲを治すのに、育毛剤や食事だけで大丈夫？

育毛剤は、頭皮の乾燥やフケ、ベタつきなどを改善して、髪が成長しやすい頭皮環境を整えるためのものです。予防のために使うのは有効ですが、発毛効果は期待できません。
育毛剤では薄くなった部位の毛を増やせませんが、何もしなければ増々進行していくので、薄毛対策の一つとして取り入れるのは良い方法です。
また、残念ながら食事だけでは若ハゲを改善することは難しいといえます。
薄毛になりにくい頭皮環境にするためには、栄養バランスの取れた食事は必要ですが、ただ、一度薄毛になってしまった状態は劇的に改善することはありません。
しっかりAGA予防をしたい方、発毛を促したい方は、専門クリニックを受診して、適切な治療薬を処方してもらうことをおすすめです。

最も効果的なのは、AGA治療

一般的に薄毛専門クリニックでの治療で最初に用いられるのは、内服薬や外用薬です。
処方される薬を大きく分けると、薄毛が進むのを抑える予防薬と、薄毛部分の髪の量を増やす発毛薬になります。
1日1回の服用と塗布が基本で、20歳以上であればどなたでも治療が受けられます。
投薬以外の治療法には、頭皮に直接発毛因子を注入する方法や、自毛を薄毛部位に移植する植毛などもあります。
それぞれの治療方法には、メリットとデメリットがありますので、年齢や費用、副作用などを医師と相談して確認した上で、自分に合う治療法を選択すると良いでしょう。
※AGA治療薬は男性ホルモンに作用するため、成長過程にある20歳未満の方には処方できません。
原則的に20歳以上の方がAGA治療を受けられますが、18歳以上の方には保護者の同伴をお願いしながら薄毛の改善法をご説明することもあります。

まとめ

若いうちに薄毛になる方は、遺伝的な要因が関係していることが多いのですが、ほかに様々な要因が重なることでさらにリスクが高まります。
気になった時点で、できるだけ早く治療を開始することで進行は抑えられますので、過度に心配するよりも一度、薄毛を専門に診療を行っている医療機関を訪れてみることをおすすめです。
専門クリニックでは、患者様に合った治療方法や、自宅でできるヘアケア対策を教えてもらえます。
頭皮ケアや食事などの生活習慣を皆瀬するとともに、適切な治療方法も併せて行いながら納得のいく治療をスタートして頂くことで、深刻な薄毛に進むことを防げるということも知っておきましょう。