頭皮が日焼けしてしまったたらどうしたら良い？　薄毛を招くはホント？　

猛暑が続く8月。毎日のように強い日差しが降り注いでいる中、頭皮の紫外線対策は大丈夫でしょうか。
夏になると特に「頭皮が日焼けすること」を気にする方は少なくありません。
紫外線を浴びることで薄毛になるかもしれない…と不安に思っている方もいるのではないでしょうか。
特に毛の量が減って地肌が透けてきた方は、紫外線から頭皮を守ってくれるはずの髪が乏しいため、適切な紫外線対策が必須になってきます。
そこで今回は、頭皮の日焼けと抜け毛の関係や予防法について解説していきます。ぜひこの時期の正しい薄毛対策に役立ててみて下さい。

 

頭皮の日焼けで薄毛のリスクが増加する

紫外線を浴びることで薄毛が進むといったことには、具体的にどんな理由があるのでしょうか。まず頭皮が炎症を起こし乾燥して、酸化が進み、次のような様々なトラブルを引き起こすことが原因となります。

 

■皮膚が軽い火傷状態になる

強い紫外線を受け続けると、頭皮は炎症を起こして皮膚の内部ではメラニン色素が急激に増えます。そして軽い火傷を負ったように、赤みやかゆみ、ヒリヒリ感といった症状が強まります。
頭皮や毛穴の炎症で、髪の毛を作る毛母細胞の成長を妨げられるだけでなく、十分な酸素や栄養素も届けられなくなります。そのため、薄毛のリスクが高くなるのです。

 

頭皮が乾燥する

強い紫外線によって、頭皮や髪の毛の水分がどんどん奪われていきます。
皮膚の表面にあって、皮膚の水分を逃さないように守っているバリア機能にもダメージを与え、乾燥し髪がパサつき、ごわつき、頭皮からはフケや皮剥けを引き起こすのです。
さらにフケが毛穴に詰まり雑菌が繁殖しやすくなり、髪の毛の成長を妨げ、髪が抜けやすく、切れやすくなったりするため薄毛につながっていきます。

 

頭皮の老化を進ませる

紫外線を浴びると、皮膚は酸化が進んで老化していきます。髪の毛を作る毛母細胞が機能しなくなり、新しい髪の毛が生えづらくなってしまうのです。
また頭皮が大量の紫外線を浴びたため、メラニン色素を作り出すメラノサイトという細胞が大きなダメージを受けて、黒い色素を作れなくなります。
紫外線は黒い髪のメラニン色素を分解する作用があるため白髪が増える可能性があります。
シミや脂漏性角化症など、紫外線を原因とする皮膚疾患が生じ、皮膚悪性腫瘍が生じるリスクも増すことが考えられ、日焼けから守ることの大切さがよく分かります。

頭皮を日焼けしてしまったら、どうケアするといい？
うっかり日焼け対策を忘れてしまったり、長時間屋外で活動することあったりして頭皮が日焼けしてしまった際には、早めのアフターケアが大切になります。
ダメージを素早く最小限に抑えるには、頭皮を冷やすことと、保湿することですが、具体的にその方法をご紹介します。

 

冷水で濡らしたタオルで頭皮を冷やす

日焼けの初期対応は、火傷をした時と同じです。まずは、日焼けによる頭皮の炎症を鎮めましょう。水で冷やしたタオルを頭皮全体に当て、クールダウンします。
日焼けは、火傷の一種ですから熱を持って炎症している状態です。氷水に浸し、絞ったタオルや、保冷剤をタオルで包んで炎症箇所を冷やしましょう。
しっかり冷やすことで痛みやほてりを軽減でき、毛根細胞にまで影響が及ぶのを防ぐことが期待できます。

 

ほてりが取れたらローションで保湿する

ほてりが鎮まったら、頭皮が失った潤いを補給しましょう。水分補給はバリア機能を高め、紫外線など外からの刺激から頭皮や毛穴を守る働きがあります。
低刺激でアルコール成分を含まないローションがおすすめです。
最近では頭皮用の保湿ローションも豊富に販売されているため、頭皮用のものを用意しておきましょう。
また準備してなかったという場合は、顔や体に塗っている化粧水や保湿クリーム、オイルなども使用することもできるため、日焼けの後はできるだけ迅速にケアをしましょう。

 

夜は低刺激のシャンプーで優しく洗う

炎症が収まったと感じたら、刺激の少ないシャンプーで洗髪します。
アミノ酸系やアレルギー用など洗浄力の低いシャンプーがおすすめです。炎症がひどく、ほてりや痛みがある場合は、シャンプーは使用せずぬるま湯ですすぐだけでも問題ありません。優しく頭皮の汗や皮脂汚れを洗い流しましょう。
シャンプーやコンディショナー・トリートメントの洗い残しは頭皮にとって刺激となります。いつもより時間をかけて、たっぷりのぬるま湯で優しく丁寧にすすぐよう心がけましょう。

 

頭皮の日焼けが治るまではどのくらい？

一度日焼けしてしまった頭皮の炎症が収まるまでは、2週間ほどかかります。
日焼け後24時間までがほてったり、ヒリヒリしたりするピークで、3日目くらい経つと色素沈着が起こり始め、肌が黒くなりはじめます。
色素沈着が起きてから2週間前後はかかりますので、その間はさらなる日焼けを避け、頭皮に刺激を与えないような洗髪や保湿を心掛けましょう。
また、日焼けするとこういった皮膚の炎症だけではすまず、皮膚が乾燥しやすくなりますから、皮脂が多く分泌したり、フケなども目立ったりしてきます。
フケや皮脂が増えると毛穴詰まりが起こり、抜け毛のリスクが高まってしまいます。
基本的に日焼けによって起こる抜け毛は、一時的なものだと考えられ、アフターケアを早めに行いしばらく続けていれば、自然と炎症は静まり回復していくでしょう。
ただ、紫外線の影響により頭皮がダメージを受けていますので、髪を作り出す毛根周辺の細胞に影響が出たり、栄養が行く届かなくなったり、薄毛につながりやすい状態になっているということに違いはありません。

 

頭皮が日焼けする前からしっかり対策を

薄毛を予防するためにも、日頃から頭皮の日焼け対策を十分に行うことが大切です。
頭髪には紫外線から頭部を守る働きがありますが、その頭髪が減ってきた状態では一層のダメージのリスクを伴ってきます。だからこそ、薄ケアして頭皮を守っていかなければなりません。

 

頭皮の日焼けを防ぐ方法

 

日傘や帽子を使う

夏場は特に紫外線を浴びないような対策を行うことが必須です。晴れの日だけでなく、曇りの日も雨の日もしっかり対策をしましょう。
屋外では日傘や帽子をかぶることで紫外線カットが期待できます。
素材が紫外線をカットできるもので、通気性の優れたものを選ぶようにしましょう。
通気性の悪い素材を長時間使っていると、発汗が進み、蒸れによって頭皮環境が悪化してしまい、抜け毛のリスクを高めます。
最近はメンズ向けの日傘の種類も増えてきているので、男女問わず日傘を使う方が増えています。日傘は、頭皮はもちろん体全体への日焼け対策にもおすすめです。
紫外線カット度数がなるべく高いものを選ぶことがおすすめです。

 

日焼け止めを使う

体や顔には日焼け止めを塗るという方も、頭皮には使ったことがない方は多いようです。抜け毛、薄毛予防のためには、頭皮にも日焼け止めを使ってみましょう。
薄毛につながる深刻なダメージを与えるのは、真皮まで届いて長い期間にわたって影響を与える紫外線A波です。
このA波をブロックするためには、パッケージのPA表示が＋3つ以上あるものを選びましょう。またSPF値が高いものは紫外線B波（肌を赤く炎症させる紫外線）をブロックする効果がありますので、夏は両方高めのものが必要になります。
「頭皮用」として販売されているものも豊富にあり、タイプも様々ありますが、使いやすいのはスプレータイプです。
使う際には、時間経過で効果が薄れていくものなので4時間に1回程度は塗布しなおすことがおすすめです。使用上の注意なども良く読んで使いましょう。

 

髪型を変えてみる

毎日同じ髪型をしていると、分け目など地肌が見えている箇所に紫外線のダメージが蓄積してしまいがちです。
その部分の抜け毛を減らし、紫外線による刺激が集中するのを散らすためにも、定期的にヘアスタイル変えることがおすすめです。

 

頭皮にも十分な保湿をする

日焼けすると、皮膚は紫外線の影響で乾燥しやすくなります。頭皮も同様ですので、紫外線を浴びてしまったら、できるだけその日のうちに保湿しましょう。
頭皮の乾燥はターンオーバーが乱れて角質が剥がれ落ち、フケの原因に。またかゆみも出てきます。
冷房に当たりっぱなし、臭いが気になる、蒸し暑くてストレスが続いているなどにも保湿ケアがおすすめできます。
保湿には、頭皮用のローションのほか、保湿力の高いシャンプーやトリートメント、ヘアオイルを使うなども良いでしょう。
こういったアイテムには、保湿力で知られるセラミドや、シアバター、ユーカリエキスなどのボタニカル成分、ケラチン、または天然のオリゴ糖など常在菌のバランスをコントロールしてくれる成分などが配合されており、頭皮に潤いを与え、フケ、かゆみ、臭いをケアしてくれるなど、継続的な頭皮と髪の保護に役立ってくれます。

 

まとめ

ここまで頭皮の日焼けについて、予防の大切さやアフターケアについてお伝えしてきました。頭部は一年中太陽の光にさらされている場所のため、長い間に日焼けしていることが少なくありません。
頭皮の日焼けは、乾燥を伴い、かゆみやフケが出やすく頭皮環境の悪化が進み、抜け毛を引き起こす原因になるため、夏には特に注意が必要です。
夏の外出の際には、日焼け止めを使い、日傘や帽子で太陽の光を遮るといった習慣を身に着けましょう。また日焼けしてしまった場合には、冷やしたり保湿したりといったお手入れを迅速に行うことで、影響を最小限度に留めることができます。
もし頭皮に水疱ができている場合や、痛みがひどい場合には、そのままにせず皮膚科を受診しましょう。